いつからだろうか。テレビでお天気キャスターが「きょうは曇り空でところにより雨模様のすっきりしない天気です」という言い方を耳にするようになった。

もちろん自分が知らないだけで、気象予報士という資格ができる前から、そのような使い方があったのかもしれないが、(あくまで)個人的に、こんなにすっきりしない気分となる表現はめずらしい。

「すっきりとした青空」という表現であれば分かる。すっきり晴れ渡る光景が目に浮かぶ。
「はっきりしない天気」という表現であれば分かる。雨が降るのか降らないのか、微妙な一日となるのであろう。

しかし、曇天や雨模様の天気を指して「すっきりしない天気」というのは、あまり適した使い方ではない言葉遣いではないかと思っている。
(詳しい方にはぜひ教えていただきたい)

すっきりするかどうかというのは、突き詰めて考えれば「気分」の話だと思う。
気分の話だからこそ、それはひとそれぞれであり、晴れだからすっきりした気分になる・雨だからすっきりしないというのは、他人から言われることではないはずだ。

以前みた、あるベテランの気象予報士とお笑い芸人の会話を思い出す。
梅雨時、雨模様の空。お笑い芸人は、気象予報士を(視聴者の気持ちを代弁し)このように呼びかけた。
「雨が続いて、嫌ですねー」

そのときはわたしもそう思ったのだが、超がつくほど真面目な、その気象予報士のかたは次のような対応をしたのだ。(詳細な表現までは覚えていない)

「たしかに雨が降ると傘が必要になったり困ることもあります。ですが、この梅雨があることで、稲が育ち、美味しいお米が食べられるのです。お米を作っている農家の方々にとっては恵みの雨です。梅雨時に雨が降らないことのほうが困ると思います」

このひとことで、わたしの雨に対するネガティブな印象は吹き飛んだ。

このやりとりが偶然生まれたものなのか、もしかしたらプロ同士の優れたかけあいだったのかは、20年以上前のことであり今となっては分からない。
だが、いずれにせよ、天気のプロによる、造詣の深い対応であったことは間違いがない。
「すっきりしない天気」という表現をテレビなどで耳にするたびに、そんなことを思うのだ。